2024.8.26
日常生活の中で体内に蓄積した化学物質が限界に達すると発症する化学物質過敏症を題材にしたドキュメンタリー映画「いのちの林檎」を見て驚愕した。
自宅の新築でシックハウス症候群になり、近所のゴルフ場の農薬散布で化学物質過敏症を発症した早苗さんは、呼吸できる場所を探して母と2人で旅に出る。身の回りのものすべてに拒絶反応を示し、水さえも飲めなくなった彼女を救ったのは、青森県のリンゴ農家、木村秋則さんが17年の歳月をかけて実らせた無肥料・無農薬のリンゴだった。
今やこの病気は国内に1000万人以上とも言われており、少しでも身近な困っている方々の助けになればと思い、「しあわせここち」を生み出した。
化学物質過敏症(Chemical Sensitivity、CS)または多種類化学物質過敏症(Multiple Chemical Sensitivity、MCS)は、特定の化学物質に対する異常な過敏反応を特徴とする状態であり、これらの化学物質は日常生活で一般的に使用される製品(例えば、洗剤、香水、塗料、シャンプーなど)に含まれることが多い。
症状は多岐にわたるが、一般的には以下のようなものがある。
•呼吸器系: 喘息、息切れ、咳、喉の痛み
• 神経系: 頭痛、めまい、集中力低下、疲労感
• 皮膚: 発疹、かゆみ、乾燥
• 消化器系: 吐き気、腹痛、下痢
• その他: 筋肉痛、関節痛、目のかゆみや乾
原因は完全には解明されていないが、以下の要因が関与していると考えられている。
• 遺伝的要因: 遺伝的な要因が影響している可能性。
• 環境要因: 長期間にわたる化学物質への曝露。
• 免疫系の異常: 免疫系の過敏反応や自己免疫疾患が関与。
また診断は困難であり、標準化された診断基準が存在しない。診断には以下の方法が用いられることがある。
• 患者の病歴: 化学物質への曝露と症状の関連を確認。
• 問診: 詳細な問診により、特定の化学物質に対する反応を特定。
• 除外試験: 他の疾患(アレルギー、喘息、自己免疫疾患など)を除外するための検査。
現在治療法は確立されておらず、症状の管理が中心となり、以下の対策が有効。
• 化学物質の回避: 患者が過敏反応を示す化学物質を特定し、これを回避すること。
• 環境調整: 自宅や職場の環境を改善し、化学物質の曝露を最小限に抑える。
• 薬物療法: 症状に応じて抗ヒスタミン薬、ステロイド、鎮痛薬などが処方される。
• 心理的支援: ストレス管理や心理療法が症状の改善に寄与する場合がある。
化学物質過敏症は、その原因やメカニズムが未解明であり、診断や治療が難しい病態で、患者個々の症状に応じた対策が求められ、化学物質の回避や環境改善、薬物療法などが中心となり、さらなる研究が必要である。
経皮毒•経皮吸収を避けるためにも、勝手ながら、いつの日か「いのちのしあわせここち」になれば本望である次第。
キュイ