2024.2.13
とある場末の老女ママのスナックに通っていた頃、ある時突然お店をたたむことになり、
ママお気に入りの一曲をなぜか「是非に歌い続けて・・・。」と託された。
彼女は香港に所縁があるようで、天安門事件(1989年6月)が起こった後のことであったと記憶しているが、
鄧麗君(テレサ・テン/1995年5月/享年42歳)のこの曲「香港」が、歴史に翻弄される香港の人々の心情を綴ったものと後日教えられ、
それ以来「座右の銘」ならぬ「座右の曲」となった。
アジアの歌姫の死因については当時何かと話題になったが、仕事柄台湾を頻繁に訪問する機会があり、ある日、鄧麗君の墓所を訪れた。
台北市の北東の金宝山にあり、霊園に近づくと彼女の曲が自動的に流れ、一人の女性が墓石にもたれ掛かりながら涙に暮れていたのが今でも瞼に焼き付いている。
また台湾で土葬に付されたのは、蔣介石、蔣経国(蔣介石の息子)、鄧麗君の3人のみとのことで、その国民的英雄ぶりを窺い知る事が出来た。
それから10年以上の月日が経過し、まさか自分が香港へ赴任することになるとは夢にも思わず、何かとても不思議な縁を感じ、新天地へと飛び立った。
第二の故郷となった香港、周庭さんや香港の仲間たち、香港の未来を切に願い、これからも応援し、折に触れテレサと彼の地を想い、そして歌い続けたい・・・。